トップメッセージ
トップメッセージ
「みんななかよく」の
実現に向け
笑顔による
社会課題解決を目指します
株式会社サンリオ
代表取締役社長
辻󠄀 朋邦
当社は、創業者から受け継いだ企業理念「みんななかよく」と、ビジョン「One World, Connecting Smiles.」の実現を目指しています。このビジョンまでの道筋を具体化するため、事業とサステナビリティ活動、それぞれの側面から目標を設定しています。10年間の長期ビジョン「グローバルIPプラットフォーマー」と、笑顔による社会課題解決を目指す「サンリオ・マテリアリティ」です。このふたつは密接に関係していると私は考えています。例えば、社会貢献活動「Sanrio Nakayoku Project」の一環で、ハローキティが病院や施設を訪問する「Sanrio Character Aid」の際、事業活動によってキャラクターの認知度、ブランド価値が高まっていると、訪問先で笑顔になる人は増えるでしょう。つまり、事業成長によってサステナビリティ活動のインパクトが拡大し、サンリオ・マテリアリティの実現度も高まると考えています。
サンリオではビジョン「One World, Connecting Smiles.」をどこまで達成したかを示す指標として、私たちが生み出した笑顔の量を示す「サンリオ時間」を設定しています。当初は、2025年3月期から2031年3月期までに累計3,000億時間のサンリオ時間創出を目標としていましたが、2025年3月期に想定を上回る実績を達成したことを受け、目標水準を引き上げ、10年間の長期ビジョンの最終年度である2035年3月期に年間3,000億時間のサンリオ時間創出を目指しています。併せて、社会貢献活動も新たにサンリオ時間に算入し、2026年3月期は1,649億時間を創出できました。
主力事業であるライセンスビジネスや物販ビジネスでのキャラクターとの接点拡大に加え、デジタルコンテンツやゲームといった新たな事業も伸長するなど、お客様との接点を増やしてきた成果であると捉えています。一方、2035年3月期における年間3,000億時間の達成までには、まだ大きなギャップがあるのも事実です。すでに笑顔が届いているところには、さらに笑顔を増やし、まだ笑顔が少ないところにも笑顔を作っていけるように、これからもサンリオのさまざまな事業を通じて世界中に笑顔を届けていきたいと思います。
マテリアリティの進捗については、2026年3月期は重要テーマのひとつ「Well-Beingの充足」に向けた活動として国内ではSanrio Nakayoku Projectの車いす47 台の寄付や、小児科病棟の空間づくりなどを進めました。さらに「クリエイティブの民主化」に向けた活動では、従来の活動に加え、2026年3月期はサンリオデザイナーとオリジナルキャラクターを作るワークショップを実施しました。2026年8月には、サンリオ初の取り組みとして、クラシックコンサートとワークショップなどを組み合わせた文化的サステナビリティイベントも実施しました。
また、活動の広がりに加え、活動の認知度が高まっている点も評価しています。私自身も社外の方から活動に対して共感の声をいただく機会が増えました。活動の意義をさまざまな方法で継続的に発信することで、「Sanrio Nakayoku Project」がキャラクターの知名度だけでなく、活動そのものの価値に共感いただける取り組みになりつつあり、訪問・支援をご要望いただく声も広がっていると感じます。
こうした進展の背景には、マテリアリティやサンリオ時間に対する社内意識の変化があると考えています。
サンリオ時間やESGの視点がより重視されるようになっており、役員による経営判断の際の指標のひとつとして、それが各組織目標に落とし込まれた結果、社員一人ひとりも日々の仕事でサンリオ時間を意識するようになっている印象です。例えば、決算報告においても、従来の売上中心の説明から「何人にアプローチでき、サンリオ時間をどれだけ増やせたか」といった語り方へと変わってきました。また、2024年3月期から始めている社内表彰制度「スマイルミッションアワード(SMA)」では、売上への貢献だけでなく、新たなサンリオ時間の創出や、社内外での笑顔創出に貢献した取り組みを称賛しており、社内意識の醸成によい影響があるものと感じています。さらに、今後のグローバル展開強化に向けて、海外子会社にも英語版ハンドブックの配布やタウンホールミーティングを通じて、企業理念やビジョン、サンリオ時間の浸透に注力しているところです。
サンリオも企業である以上、事業成長は不可欠です。しかし、売上や利益に笑顔が伴わなければ、私たちサンリオが取り組む意義がありません。事業成長がサステナビリティ活動の価値を高め、それが事業の成長にもつながる──この好循環をより速く、より大きく回していくのが目標です。
今後も、サンリオのさまざまな事業とサステナビリティ活動をつなげ、私たちの笑顔とお客様の笑顔をつなげる「One World, Connecting Smiles.」により、「みんななかよく」を体現し続けてまいります。
2026年10月
株式会社サンリオ
代表取締役社長
