理念が言葉だけでなく行動に表れていた、それが入社の決め手でした
新卒でサンリオに入社されていますが、その経緯と現在の仕事内容を教えてください。
私がサンリオへの入社を決めた理由は、サンリオキャラクターが好きだったことに加え、面接で出会った社員の方々の姿勢に強く惹かれたからです。クリエイター採用の作品審査の場で、面接官の方々が私の作品に真剣に向き合い、「ここがかわいいね」「こういう発想があるんだね」と一つひとつ丁寧に言葉をかけてくださったことが印象的でした。「みんななかよく」という企業理念を掲げるだけでなく、その理念が社員一人ひとりの行動に表れていることを実感し、ここで働きたいと強く思いました。
入社後は企画部 商品企画三課に配属され、サンリオショップなどで販売されるオリジナル商品の企画・開発に携わりました。私が所属している三課では、ぬいぐるみや玩具、お菓子といった定番商品を中心に扱っていますが、比較的短期間で販売されるシリーズものの商品では企画部内横断で3〜5人ほどのチームを組み、アイテムのジャンルを限定せず幅広く企画に携わっています。
1年目は、担当カテゴリーであるぬいぐるみや玩具、お菓子などの定番商品の企画を中心に、少しずつそれ以外のシリーズ商品も担当しながら先輩のもとで商品づくりの基本を学んでいきました。
2年目になると、徐々に難易度の高いアイテムを任せていただいたり、部署を横断したプロジェクトに参加したりと、挑戦の幅が大きく広がりました。若手のうちから「やってみよう」と背中を押してもらえる環境があり、自分自身の成長を実感する場面が増えていきました。
その後、3年目にはシリーズものの商品の企画提案が採用され、進行リーダーを務める機会をいただきました。企画アイディアのとりまとめ、仕様やデザインの確認を行いながら商品が形になるまでの進行を担いました。責任の大きさを感じる一方で、企画を引っ張る経験は大きな学びになりました。
現在はそういった経験を積み重ねながら、アイデア段階から商品として形になるまでを一貫して担当する商品プランナーとして、日々業務に取り組んでいます。
最も印象に残っている仕事は何ですか?
お菓子や玩具の企画です。お菓子はアレルギー表示をはじめとする食品表示の確認がとても厳しく、玩具も楽しく遊べるギミックを保ちながら、小さなお子様でも安心して使える仕様にする必要があります。どちらも細心の注意を払いながら進めることが欠かせません。
一方で、お菓子や玩具は、お子様が初めてサンリオに触れる「エントリー商品」になることも多いカテゴリーです。私自身、子どもの頃にサンリオの玩具を贈り物でもらった思い出が今でも心に残っていて、その体験が今のサンリオ好きにつながっていると感じています。
誰かにとっての最初のサンリオ体験を支える仕事であることに、大きな責任と同時にやりがいを感じています。振り返ると、学生時代にプロダクトデザインを専攻する中で「その作品に社会性はあるか」と問われ続けてきた経験が、使う人の気持ちや生活の文脈を想像しながら商品を考える、今の仕事のベースになっていると感じています。
学生時代の経験が今の仕事に活きているとのことですが、商品企画をする上で特に意識していることは何ですか?
「かわいい」を追求する一方で、その商品を手に取ったお客様がどう感じるかを想像し尽くすことを大切にしています。商品企画の現場では、使いやすさやコストのバランスを調整しながら、いかに「かわいい」を最大化させるかが常に問われます。お客様に喜ばれる仕様と価格を保ちつつ、「ここだけは絶対に譲れない」というデザインのポイントをチームで見極めていくことは簡単ではありませんが、こうしたひとつひとつの丁寧な調整こそが、お客様に「欲しい」と思ってもらえる商品をつくる鍵だと考えています。
また、サンリオの商品は単にかわいいだけでなく、人と人をつなぐきっかけになるものだと思っています。友達とお揃いで買ったぬいぐるみや、誰かからの贈り物として受け取ったグッズが、その人の大切な記憶の一部になる。そうした瞬間を生み出す商品をつくるために、自分本位のモノづくりにならないよう、お客様の日常に寄り添う視点をこれからも大切にしていきたいと考えています。
挑戦の先に得た、唯一無二の経験と成長
これまでの企画の中で、最も大きな『挑戦』だったエピソードを教えてください。
入社2年目で担当した「SANRIO JAPAN」のプレミアムドールが、最も心に残っている企画です。「SANRIO JAPAN」とは、日本の文化やモノづくりの魅力と、サンリオの「かわいい」を掛け合わせ、新たな価値を世界に発信するプロジェクトです。その中で担当したプレミアムドールは、日本の伝統的な織物や着物を纏ったハローキティのぬいぐるみで、生地から仕上げまでを日本国内で行うという、これまでにない商品でした。しかし、国内でぬいぐるみを製造できる工場は限られており、生地もデザインに合わせて一つひとつ選定する必要があるなど、通常の商品開発とは異なるイレギュラーな工程が続きました。
入社2年目で知識も十分とは言えない中、何から手をつければいいのか手探りの状態でしたが、この企画を通して「モノづくりは一人では成り立たない」ということを強く実感しました。その気づきをきっかけに、開発に関わる方々とこれまで以上に密に連携し、先を見越して動くことを意識するようになりました。実際にデザイナーや製造担当と生地問屋へ足を運んで生地を選定したり、よりかわいく日本の魅力が伝わるような仕上がりを目指して製造メーカーと何度も話し合ったりしながら調整を重ねていきました。その結果、唯一無二のプレミアムドールが完成し、この企画の中で成長できたこと、そしてチームでモノづくりをすることの力強さを強く実感しました。
若手のうちから大きな挑戦を任せてもらえたことで、自分自身の視野や仕事への向き合い方が大きく広がった経験となっています。
この経験は、その後のキャリアにどのような影響を与えましたか?
プレミアムドールの企画・開発を通して身についたのは、「先を見越して動くこと」と「チームでモノづくりに向き合う姿勢」です。
当時は目の前のことで精一杯でしたが、工程全体を理解し、早い段階から意見をすり合わせていくことの大切さを学びました。商品プランナーは、企画を考えることはもちろん、開発の過程で社内外を問わず多くの方々の間に立って調整を行う役割が多い仕事です。その中で、企画の意図や大切にしたいポイントを丁寧に共有しながら、チーム全体でより良い形を目指して進めることを心がけています。また、当時実感した「ひとつの商品は想像以上に多くの人の努力と思いが詰まって完成する」という感覚は、現在の日常的な連携においても常に意識しています。
自分一人で完結させるのではなく、関わる全員の力を引き出しながらより良い商品を生み出す。この考え方が、現在の仕事の進め方そのものに活きています。
「モノづくりで人を笑顔にしたい」「人の気持ちに寄り添いたい」。誰かの大切な思い出になる商品をつくり続けていきたい
今後、どのような挑戦をしていきたいですか?
これからも企画部で経験を積み、商品企画のプロフェッショナルとして活躍していきたいと考えています。まだ担当したことのない商品カテゴリーも多いので、知識やデザインの引き出しを増やしながら、「吉岡に任せれば安心だ」と言ってもらえる商品プランナーを目指しています。
同時に、最近は後輩のサポートをする機会も増えてきたので、チーム全体の雰囲気を良くし、より良いモノづくりができる環境をつくれる存在になりたいと思っています。キャラクターや表現の幅が広がれば、それだけ寄り添える人の幅も広がるはずです。「誰に向けた商品なのか」を常に意識しながら、「みんななかよく」の価値観を商品に反映し続けることで、より多くの方に寄り添える商品を届けていきたいです。
サンリオに入社を希望する方たちへ伝えたいことは何ですか?
自分が大切にしている価値観を、しっかりと言語化することが大切だと思います。「モノづくりで人を笑顔にしたい」「人の気持ちに寄り添いたい」といった自分の中にある「好き」や「得意」が仕事と結びついたとき、日々の業務に確かな意味が生まれます。
サンリオには、若手のうちから挑戦できる環境があり、企画の提案に対しても上司が積極的にアドバイスをくれる風土があります。相手の意見を尊重しながら一緒に「かわいい」を真剣に考え、前向きに仕事を楽しめる方と、ぜひ一緒に誰かの大切な思い出になる商品をつくっていきたいと考えています。