物流の現場とシステムの両方を知る人間が、エンタメ業界を目指した理由
-サンリオ入社までのキャリアを教えてください。
新卒で通信販売会社に入社し、最初の配属先が物流部門でした。テレビ通販やカタログ通販、自社ECサイトの商品を扱う倉庫で、在庫管理・出荷管理・配送管理などの物流業務を4年間担当しました。日々商品の動きを追いかけながら、「モノが届く」という当たり前の裏側にある複雑なオペレーションを、現場で学びました。
5年目を迎える頃、現場でWMS(倉庫管理システム)を活用してきた経験を評価され、システム部へ異動しました。物流システムに加え、配送やコールセンター関連のシステム管理も担当し、現場の肌感覚とシステムの設計的な思想の両方を踏まえて考える視点が身についたと感じています。
こうして実務経験を積む一方で、以前からあったエンタメ業界への関心が、次第に大きくなっていました。新卒時にも漠然とした憧れからエンタメ企業を受けていましたが、物流とシステムという専門性を身につけたことで、「この経験を、本当に興味のある領域で活かしたい」という思いが強くなり、2025年11月にサンリオへ入社をしました。
-サンリオを選んだ決め手は何でしたか?
転職活動中、サンリオが自社で物流を管理していることを知り興味を持ちました。サンリオであれば、前職で培った在庫管理や出荷管理の経験を直接活かせる環境のなかで、自分の強みを発揮できると感じたことがきっかけです。
そして決定打となったのは、面接の過程で、あきる野市にあるディストリビューションセンターを見学したことです。現場の動きを実際に見ながら、今後導入するWMSの構想を伺いました。長年のアナログ運用をシステムで刷新するというプロジェクトの規模感に加え、自分の経験が即戦力として貢献できるイメージを持つこともできました。ほかにも数社から内定をいただいていましたが、見学を通じて入社後の自分の姿を具体的に想像できたため、サンリオへの入社を決めました。
-現在の仕事内容、担当領域を教えてください。
現在はDC統括課 物流情報グループに所属し、ディストリビューションセンターにおけるシステム管理と、新システムの導入業務を担当しています。サンリオの直営店や量販店に並ぶグッズに加え、ECサイトでご購入いただいたお客様や海外向けの出荷もこのセンターが起点となっており、商品供給の根幹を支えるポジションです。
入社以来最も多くの時間を費やしているのが、2026年夏に予定しているWMS導入プロジェクトです。現行システムからWMSへ移行するにあたり、期待効果の整理、業務フローの作成、テストシナリオの設計と実行を進めています。各フェーズで現場の方々にヒアリングを行い、管理チームや外部のコンサルタントと連携しながら、実際の画面操作を含むテストを一つずつ進めています。
現場に根付くやり方を尊重し、仕組みに落とし込む
-WMS導入プロジェクトで直面した最大の壁は何でしたか?
ディストリビューションセンターには、長年培われてきたアナログな運用と、属人化した進め方が深く根付いていました。棚卸しでは、紙のリストを見ながら手書きでチェックする方法が続いており、「この人がいないと作業が回らない」という状況が複数の工程で起きていました。この環境をWMSへ全面的に切り替えるということは、単にシステムを入れ替えるだけではなく、現場の働き方そのものに関わる挑戦です。
プロジェクトが動き出したのは、2024年夏頃のことです。私が入社した2025年11月時点では、すでに全体工程の中盤を越え、重要なフェーズに差し掛かっていました。前職でWMSの開発・運用に携わっていた経験を評価いただき、入社直後からテストや準備を担う中心メンバーとして参画しましたが、本番稼働に向けて、限られた時間の中で現場の理解と信頼を同時に得なければならないというプレッシャーもありました。
まず取り組んだのは、在庫管理・入荷・出荷・棚卸しといった各工程について、現場の担当者一人ひとりにヒアリングを重ねることでした。どの作業がどの順番で行われ、誰がどんな判断をしているのか。特に属人化している部分ほど、当事者に直接話を聞かなければ実態が見えてきません。
その内容をもとに業務フローを可視化し、WMSでの運用に合わせてテストシナリオを一つずつ作り込みました。管理チームやコンサルタントと連携しながら、実際の画面操作を現場の方々と一緒に確認し、分かりにくい点があればその場で修正やレクチャーを重ねていきます。
プロジェクトはまだ完了していませんが、たとえば棚卸しでは、紙のリストからハンディ端末によるデータ管理へ移行する姿が具体的に見えてきました。WMSが稼働すれば、新しく入った方でも早期に作業へ馴染める仕組みが整い、作業効率と精度の両面で大きな改善が見込まれます。「誰でも分かりやすく簡単に」という目標に向けて、一歩ずつ着実に近づいている手応えを日々感じています。
-現場のヒアリングを通じて、どんな気づきがありましたか?
ヒアリングを重ねるほど実感したのは、アナログな運用にも現場の方々が長年積み上げてきた合理性や知恵が詰まっているということです。単に「古いから変える」のではなく、なぜそのやり方が続いてきたのかを理解したうえで新しい仕組みに落とし込まなければ、現場は納得しません。前職でWMSを使う立場だった経験があるからこそ、システムをつくる側と使う側の間に生じるギャップを具体的に想像しながら「この画面ではこういう操作に迷うはずだ」と予測できます。
現場では、皆さんが忙しい中でも丁寧にヒアリングに応じてくださり、企業理念である「みんななかよく」が日々の協力体制として体現していると感じています。この信頼関係があるからこそ、大きな変化を伴うプロジェクトでも「一緒にやっていこう」という空気が生まれているのだと思います。現場との対話から得た気づきは、テストシナリオの精度を上げるだけでなく、自分自身がサンリオの物流を深く理解する糧にもなっています。
世界中に届ける物流基盤を、これから一緒につくる
-今後、どのような挑戦をしていきたいですか?
まずは、今夏に控えたWMS導入プロジェクトを確実に成功させることが最優先です。テストやレクチャーを一つずつ丁寧に積み重ね、本番稼働の日に現場の方々が安心して新しいシステムを使い始められる状態を目指しています。
その先は、物流全体の理解をさらに深め、運用改善をリードできる存在になりたいと考えています。ディストリビューションセンターには、長い経験を持つベテランの方々が多くいらっしゃいます。その知見を受け継ぎながら、新しい視点を持った世代も加わってこれからの物流を支えていくことが、サンリオの物流基盤をより強くすることにつながると感じています。
休日に街中でサンリオの商品を見かけたとき、「自分が関わった商品が全国、そして世界中に届いている」と実感できることが、この仕事の大きなやりがいです。このやりがいを原動力に、将来的には商品開発やEC事業など、物流で培った視点を活かして新たな領域にも挑戦し、より多くの人に笑顔を届ける仕組みづくりに貢献していきたいと考えています。
-サンリオに入社を希望する方たちへ伝えたいことは何ですか?
サンリオというと、デザインや商品企画のイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし、世界中の子どもから大人まで親しまれているキャラクターの商品を届けるためには、物流という確かな基盤が不可欠です。いままさに新しいシステムへの切り替えが進んでおり、物流の仕組みそのものをつくり直すフェーズに立ち会えるタイミングでもあります。
物流の知識は入社後でも十分に身につけられます。それ以上に大切なのは、現場の方々や他部署と円滑にやり取りできるコミュニケーション力と、変化を前向きに捉える姿勢です。パート、アルバイトの方や協力会社の方々など、多様な立場の人と一緒にオペレーションをつくっていく仕事だからこそ、周囲と協力しながら物事を進めることに達成感を感じられる方に向いている環境だと思います。物流が好きで、「誰でも分かりやすく簡単に」使える仕組みを追求したいという方と一緒に、世界中に笑顔を届ける物流基盤を創っていけたら嬉しいです。