キャリア入社社員インタビュー

talk28_03

松田 彩(まつだ あや)

2023年にサンリオへキャリア入社。映像事業部 映像製作課所属。大学卒業後、テレビ番組制作会社にて幅広いジャンルの番組制作に従事。その後、IPプロデュース会社にてアニメ製作やIPのクロスメディア展開、映像配信プラットフォーマーにて海外向けコンテンツ製作業務を経験。サンリオ入社後はアニメーション作品の企画立案から製作実行までを担う映像プロデュース業務を担当。

取引先としてサンリオキャラクター作品を担当したことが転機に

―サンリオ入社までのキャリアを教えてください。

最初に就職したテレビ制作会社では、バラエティからドキュメンタリーまでジャンルを問わずさまざまな番組制作を経験しました。忙しい現場に身を置くことで、「相手が何を求めているかを瞬時に汲み取る力」を鍛えることができました。この経験は、今の仕事で社内のデザイナーや外部の制作スタジオと協働する際にも役立っています。

その後、海外に向けた仕事をしたいという思いから、映像配信のプラットフォーマーに転職しました。そこでアニメーション制作やIPのクロスメディア展開に携わる中で、サンリオキャラクターの作品を担当する機会を得たことが、次のキャリアへの転機になりました。

―サンリオを選んだ決め手は何でしたか?

前職で、マイメロディとクロミのストップモーションアニメなどのプロジェクトを通じて、サンリオの方々と接点を得たことが入社のきっかけです。取引先としてたくさんのサンリオ社員と接する中で、皆さん優しくて、気持ちよく仕事ができたことが印象に残っていました。一緒に仕事をするうえでの心地よさは、長く働くために何よりも大切だと感じました。

加えて、入社を検討する過程で自分の身の回りを見渡してみたところ、驚くほどサンリオのグッズが生活に浸透していることに気づかされました。幼少期に初めて泳いだときに使っていたハローキティの浮き輪、祖母に初めて買ってもらったリトルツインスターズ(キキ&ララ)のお財布など…。無意識のうちにずっとそばにいたキャラクターの価値を、映像の力でさらに広げられる環境がここにあると確信しました。

-現在の仕事内容、担当領域を教えてください。

現在は、映像事業部 映像製作課にて、自社投資(製作委員会方式を取らず、自社で100%制作費を負担)のアニメーション作品の企画立案から制作までを担当しています。映像作品を通じてキャラクターの世界観を拡張し、IP価値の向上に貢献することがミッションです。

具体的には、キャラクターのプロデュースを担当する部署と連携しながら「どのタイミングで、どのキャラクターの、どのような映像をつくるべきか」を全体戦略の中で検討し、企画に落とし込みます。制作フェーズでは、制作スタジオやライターで構成される制作チームのリーダーとして作品全体の方向性をリードするとともに、社内デザイナーと連携しながら世界観の拡張とすり合わせを行っています。完成した作品は、国内外の配信プラットフォームでの展開を視野に入れながら進めており、現在も複数のプロジェクトが同時に進行しています。

映像を通じて描くキャラクターの世界観

-キャラクターを映像化するうえで、最初に直面した課題は何でしたか?

サンリオのキャラクターは歴史が長く世界的に知られている一方で、その多くは「商品のデザイン」から生まれた存在です。そのため、映像化に必要な世界観があまり定義されていませんでした。たとえばハローキティには「ロンドン郊外出身」という設定がありますが、ロンドン郊外のどのあたりで、その街の雰囲気がどのようなものかまでは決まっていません。グローバル配信にも耐え得るアニメを自社投資でつくるには、「その角を曲がったら何が見えるか」というレベルまで設定を開発する必要がありました。

入社後、まずは主要なキャラクターのパーソナリティと過去の展開をリサーチすることから始めました。社内関係者との対話を重ねる中で、未定義の領域が次々と浮かび上がり、映像化は単なる作品制作ではなく、IP価値そのものの再構築でもあるのだと実感しました。

そこで取り組んだのは、サンリオの「みんななかよく」という企業理念を、ストーリー作りにおける強みに転換することでした。一般的な映像では悪役とヒーローの対立構造を描いたほうがストーリーを組み立てやすいのですが、そうではなくキャラクターの影の部分や人間味のある共感ポイントを丁寧に深掘りするようにしました。たとえば、ハローキティのように、いわゆる優等生と思われるタイプでも、実は陰で努力していたり、心の中で悩んでいたりする姿を脚本に落とし込みます。ほかにも、キャラクターが乗り物に乗るシーンでは安全バーを追加するキャラクターの行動やセリフに、相手への気遣いが表れるように演出するといった、細部の「優しさの描写」も、デザイナーと密にすり合わせました。こうした世界観設定を資料として体系化し、外部の制作スタジオと共有する仕組みも構築しています。

その結果、社内でもキャラクターの新たな魅力への理解が広がっています。従来のファンでも「このキャラクターは私に似ているからもっと応援したい」と感じるような、共感の接点も生まれ始めています。

―この経験を通じて得た学びがあれば教えてください。

「制約はクリエイティブの敵ではなく、むしろ独自性の源泉になる」ということです。悪役を置かないという条件は、一見するとストーリーの選択肢を狭めるように思えます。しかし、その制約があるからこそ、キャラクター一人ひとりの性格や背景を丁寧に掘り下げる必要が生まれ、結果としてどの作品にもない「優しさが一貫した世界観」が映像全体に宿るようになりました。

もう一つの学びは、世界観の設計を資料化して関係者全員に共有することの重要性です。制作スタジオや社内の異なる部署のメンバーが同じ認識を持てるようにすることで、細部のクオリティが安定し、キャラクターのブランド価値が守られます。この経験は、現在進行中のプロジェクトでも活きており、新たなキャラクターの映像化に取り組むたびに、設計のフレームワークとして機能しています。

「世の中にどんな影響を与えられるか」のイメージを持ち、製作に携わる

―プロジェクトを進めるうえで、常に意識している判断軸は何ですか?

「なぜ今これをやるのか」を常に考えることです。アニメ制作は、ローンチまでに34年かかることも珍しくありません。その長い道のりの中で、単に作品を完成させることだけを目的にしてしまうと、途中でプロジェクトの意義が曖昧になりがちです。だからこそ、「この映像が世に出たとき、キャラクターにどんな新しい価値が生まれるか」「社会や世の中にどのような影響を与えられるか」というゴールのイメージを常に持ち、チームと共有するようにしています。

また、一人で完結する仕事ではないからこそ、関わるすべての人との信頼関係を大切にしています。デザイナーが長年守ってきたキャラクターへの思いを尊重しながら、映像として新しい魅力を提案する。外部スタジオのクリエイターが力を発揮しやすいように、世界観の情報をできるだけ具体的に整理して提供する。そうした一つひとつの配慮が、映像のクオリティに直結すると考えています。これからもキャラクターへの深い理解を土台にしながら、関わる人たちが気持ちよく力を発揮できる環境づくりを続けていきたいです。

映像化を通じて世界中に新たなファンとの接点を

-今後、どのような挑戦をしていきたいですか?

サンリオには450を超えるキャラクターがおり、まだ映像化されていないキャラクターや、世界観が十分に描かれていないキャラクターが数多く存在します。それぞれのキャラクターに合った形で映像を届けることで、国内だけでなく海外のファンにも新しい出会いの接点をつくっていきたいです。一つの映像作品がきっかけとなり、グッズ、イベント、テーマパークといった他の領域にも波及していくような、IP全体を動かすプロデュース業務に挑戦していきたいと思っています。

-サンリオに入社を希望する方たちへ伝えたいことは何ですか?

サンリオの映像製作は、完成までに長い時間がかかるプロジェクトです。華やかに見える部分だけでなく、キャラクターの世界観を一つひとつ丁寧に掘り下げていく地道な作業が、日々の大半を占めます。だからこそ、「なぜ今これをつくるのか」という問いに向き合い続けられる思考力と粘り強さが求められます。

映像の専門知識はあるに越したことはありませんが、それ以上に大切なのはコミュニケーション能力と、新しいことに踏み出す姿勢です。多くの人と協力しながらプロジェクトを前に進める仕事なので、相手の意図を汲み取りながら自分の考えを伝えられることが重要です。

キャラクターへの深い理解と愛情を持ち、その価値を長期的な視点で最大化したいという志を持つ方と一緒に、映像を通じてキャラクターの新しい魅力を世界へ届ける仕事を創っていけたら嬉しいです。

  1. ホーム
  2. 採用情報
  3. キャリア入社社員インタビュー