「このチャンスを逃したくない」─多様な人々を笑顔にするデザインを求めて
サンリオ入社までのキャリアを教えてください。
新卒ではアクセサリー会社に入社し、販促物の制作やWebデザイン、広報などあらゆる業務を経験しました。その後、「商品そのものの魅力づくりにより深く関わりたい」と考え、100円ショップ向けの商品を企画・デザインする会社へ転職しました。「100円」という厳しいコスト制約の中で、いかに魅力的な商品を提案し形にするかという経験ができ、現在の監修業務にも活きていると実感しています。そして、これまでは平面デザインを中心にキャリアを積んできましたが、サンリオへの入社を機に、監修業務や立体物のデザインといった新たな領域に挑戦することになりました。
サンリオへ入社した理由は何ですか?
もともと、サンリオは私にとって長年の憧れの企業でした。年齢や性別を問わず、あらゆる世代の人々に愛されるキャラクターを生み出し、育て続ける力に、サンリオならではの独自の魅力を感じていたからです。 私自身、ポムポムプリンのファンです。幼い頃のキャラクターとの思い出は、常に笑顔と共にありました。「誰かに笑顔を届けるデザイン」に仕事として携わりたいという想いが、志望の根底にはありました。
現在の仕事内容と担当領域を教えてください。
私が所属するライセンスデザイン部では、主に「監修業務」と「デザイン業務」の2つを担っています。第一と第二の二つの部に分かれており、第一は主に広告やキャンペーンとそれに付随する販促物、パッケージなどのデザイン制作・監修を担当しています。一方で、私が所属する第二ライセンスデザイン部は「商品化」がメインであり、非常に多岐にわたる商品の監修とデザインを行っています。
監修業務は週1回の決裁サイクルで進めており、担当者が細部まで責任を持って確認を行っています。必要に応じてコメントを添えて差し戻し、校了まで何度もやり取りを重ねます。その際、営業担当が間に入ってくれます。
チェックの視点は多岐にわたっており、「キャラクターが誤った使われ方をしていないか」「キャラクターのルールが守られているか」といった基本項目に加え、「デザインとして成立しているか」も確認します。修正依頼を戻す際は、単に「NG」と伝えるのではなく、「どこをどう修正すれば良くなるか」を具体的かつ建設的に言語化するよう心がけています。営業担当と連携しながら進める体制ですが、相手の制作意図を汲み取りつつ、サンリオとして譲れないポイントを丁寧に伝えるよう努めています。これが、円滑な進行とクオリティ向上につながると考えています。
一方、デザイン業務についてですが、まずライセンス営業の担当者と打ち合わせを行い、企画書をもとにクライアントとなるライセンシーがどのようなデザインを求めているかをすり合わせます。その後、ターゲット層やテーマに応じてリサーチを行いながら、デザイン制作を進めます。完成後は各方面に最終確認をするのですが、クライアントから「とてもかわいいです!」と言っていただけた時は何よりの喜びです。クライアントの求めるデザインを考え、自分本位にならないよう心掛けるとともに、サンリオキャラクターのルールや世界観を損なわないように配慮することは簡単ではありませんが、とても達成感のある業務です。
キャラクターを深く知る時間こそがクオリティを押し上げる
これまで携わった案件で、印象に残っていることを教えてください。
他社IPをサンリオらしくアレンジする案件を担当した時のことが印象に残っています。オーダーは特定のターゲット層向け(男性がターゲットのクールでシンプルなデザイン)というものでしたが、私自身、これまでそのような層へのデザイン経験が多くなかったため、当時は方向性の掴み方に非常に苦戦しました。 かわいさに寄せ過ぎると求められている方向性から外れてしまいますし、反対にクールさを意識し過ぎるとサンリオらしさが薄れる。そのバランスをどう取るかが一番の悩みどころでした。
その課題を解決するために、どのような行動を取りましたか。
まずは対象IPを徹底的に学ぶことから始めました。公式の図鑑を読み込んだり、映像作品を見たり、基礎情報を吸収したうえで、社内でそのIPに詳しい同僚からもアドバイスをもらいました。キャラクターへの理解を深める中で、「ユニークでシュールな世界観」をデザインに取り込みたいと感じました。また、クールでシンプルな見せ方については、複数案を用意して比較しながら、ターゲットに響く表現を模索しました。キャラクターが持つ魅力を最大限に引き出しつつ、求められるテーマに落とし込むことができ、社内からも「かっこいい」、「斬新」と評価をいただくことができました。この経験は、私にとって非常に思い出深いものとなりました。
携わった案件が誰かの「楽しい時間」につながっている
監修やデザイン業務を行ううえで特に意識していることは何ですか。
私は前職では平面デザインが中心でしたので、立体物の監修はサンリオに入社してからが初めての経験でした。例えば、ぬいぐるみは目の位置が1ミリずれるだけで表情が変わり、「かわいさ」が損なわれることもあります。当初はその違いが分かりませんでしたが、先輩社員のアドバイスから学ぶうちに、自分でも判断できるようになりました。特に立体物は、角度や素材の質感によって印象が大きく変わるため、画面上だけでは判断できない難しさがあります。だからこそ、サンプルなど実物を手に取れる機会がある際には、「キャラクターらしさ」を徹底的に追求するようにしています。
大きな裁量に伴う責任もありますが、ルールを守った上で最適解を探っていく工程には、この仕事ならではの面白さを感じています。
監修業務とデザイン業務、それぞれどのようなやりがいがありますか。
監修業務では、ライセンシーが作り出す様々なデザインの商品に携われること、また、ライセンシーと一緒に試行錯誤しながら作ったものがかわいくできた時に、この仕事をしていて良かったと実感します。
デザイン業務では、自分がデザインしたキービジュアルがぬいぐるみになったり、ゲームセンターの景品として並んでいるのを見たりした時の感動は格別で、クレーンゲームの台の前で、お客様が「これ欲しい!」と話しているのが聞こえた時には、思わず胸が熱くなりました。
自分の手がけたデザインや監修が、誰かの「楽しい時間」につながっている。それこそが、何よりやりがいを実感できる瞬間です。
最後に、サンリオへ入社を希望する方へ伝えたいことは何ですか。
サンリオはキャリア入社の方を温かく迎え入れる風土があるので、ぜひ安心して飛び込んできてください。この仕事に向いているのは、「何事も前向きに楽しめる方」です。日々多種多様な依頼が届き、初めての経験でもワクワクしながら取り組める方のほうが、結果として良いデザインを生み出せると実感しています。また、状況に応じた柔軟な対応も大切です。サンリオのキャラクターに関してはマニュアルが整備されているので、入社して間もないデザイナーでも安心して監修や制作に携わることができると思います。大切なのは、キャラクターの世界観を守りつつ、ライセンシーと一緒にキャラクターの可能性を広げていく意識を持ち続けることです。疑問点をそのままにせず、早めに相談することで、監修の精度は自然と高まっていきます。最初は情報量の多さに圧倒されるかもしれませんが、経験を積むほどに自信が持てる仕事です。ぜひ、楽しみながら挑戦してください。