籾木 泰久(もみき やすひさ)
2025年サンリオへキャリア入社。 社長室事業推進課 所属。大手インテリア雑貨の小売企業の経営企画として、予算統制、中期経営計画策定、売却プロセス、PMIまで一気通貫で経験したのち、エンタメ/コンテンツ領域で長期視点の経営に関わるべくサンリオへ。現在は社長室でキャラクター戦略の策定、およびマーケティング部門やデザイン部門を中心とした各部門の伴走支援を担う。


長期ビジョンの実現に向けた戦略策定から部門の伴走支援まで
サンリオ入社までのキャリアを教えてください。
前職では、大手インテリア雑貨の小売企業で経営企画業務に従事していました。私が入社した当時は投資ファンドの傘下にあり、近い将来のイグジットを見据えている局面でした。予算編成・統制に加え、中期経営計画を再設計し、売却プロセスに向けてファンドの投資担当者やファイナンシャル・アドバイザーと連携して対応を推進しました。
売却がまとまりその後の統合プロセスも落ち着いたタイミングで、自身のキャリアを見つめ直しました。そして、中期計画の策定や売却のプロセスを経験する中で、限られた期間での企業価値向上ではなく、より長期で事業やブランドに関われる環境に身を置きたいと考えるようになりました。
サンリオに転職を決めたポイントは何でしたか?
経営企画の経験を活かしつつ、学生の頃からの「エンタメ/コンテンツに関わりたい」という志向と重なる企業を探していました。その中でサンリオを紹介いただいたのですが、当初は、サンリオは歴史も認知度もある分会社として完成形に近く、自分の経験を生かす余地が少ないのではないか、と思っていました。
しかし実際は、V字回復の後にさらに売り上げを伸ばす成長局面にあり、事業の拡大スピードに合わせて仕組みや運用をアップデートしていく必要があるタイミングでした。現場がよりスムーズに回る形へと整えていく余地があり、そこに自分のこれまでの経験が活かせると感じました。
もう一つの決め手となったのは、多数のキャラクターがそれぞれ独自の世界観とファンを持つ点です。特定のキャラクターに依存せず幅広いポートフォリオで勝負できるIP企業であることが、大きな魅力でした。
現在の仕事内容、担当領域を教えてください。
担当は大きく二つあり、一つ目はキャラクター戦略の策定です。2035年までの長期ビジョンを見据え、どの地域で、どのキャラクターにどれだけ投資し、今後数年間で何を達成するかを関連部門と連携して計画に落としこみます。
二つ目は部門支援です。マーケティングを担当するブランド管理本部やデザイン本部を中心に、各部門で抱える課題の原因を特定し、論点整理から合意形成、実行まで伴走します。事業が前に進むために必要な考え方や判断基準を整理し、関係者が同じ方向を向ける状態をつくる仕事だと思っています。
入社当初から、社長室で事業推進を行うチームのメンバーとしてキャラクター戦略策定に関わり、関係部門と連携しながら全体像を整理し、前に進めていく役割を任せてもらいました。入社間もなくして多くの案件に触れる機会があり、裁量とスピード感のある環境だと感じました。
事業部に入りこみ課題の発掘から解決までを支援

業務を進める中で、何が課題として見えてきましたか?
直近で最も大きな課題だったのは、デザインリソースの逼迫です。ライセンス、物販、ゲーム、LBE(Location-Based Entertainment)などサンリオは様々な事業を展開していますが、どの事業もキャラクターデザインが前提にあり、そのデザインを担うリソースが不足すると事業のスピードが停滞してしまいます。
また、各事業部とデザイン本部では、それぞれ重視する観点や役割が異なります。どちらも事業にとって欠かせない視点だからこそ、共通の前提を持って話せるような運用の工夫が必要だと感じました。
課題を解消するために、どのように運用を見直しましたか?
まず、各事業部とデザイン部門の間に入り、それぞれの考えや前提を共有しながら、議論を整理していきました。どういったデザインに工数がかかりやすいのか、デザイン依頼時の情報の持ち方は適切か、といった点について、各部門の皆さんと意見を交わしながら整理し、共通認識を持って議論できる状態を目指しました。
運用面では、案件の内容や目的に応じて、デザイナーの関わり方をいくつかのパターンに整理し、適切に使い分ける形へと見直しました。その結果、依頼内容の共有がスムーズになり、制作負荷の偏りを抑えられる見通しが立ちました。各部の皆さんにも取り組みの意図を理解いただき、協力を得ながら前に進めることができています。
戦略を描くだけでなく、各部門と連携し、無理のない形で仕事が進む環境を整えることも今後の成長においては重要だと感じました。
社長室として見据える今後10年と目指すべき姿

前職で培った経営企画の経験は、社長室のどの場面で活かされていますか?
前職で培った中期計画や予算管理の視点は、キャラクター戦略を考える上でも活かされています。キャラクタービジネスは感性に委ねられやすい一方で、事業として成長させるためには、投資の考え方や優先順位を関係者間で揃えることが重要です。どのキャラクターに、どのタイミングで、どの程度のリソースをかけるのかを整理し、共通の前提を持って判断できる状態をつくることを意識しています。
会社の長期ビジョンを、各部の皆さんが判断や行動に落とし込める形に整理していく点でも、前職での経験が役立っています。10年先の方向性を見据えながら、今期や直近の取り組みにまで分解し、長期と短期の視点を行き来しながら意思決定の軸を整えています。
2035年に向けて、社長室として次に注力したい打ち手は何ですか?
サンリオが目指す時価総額5兆円に向けて、中核となるライセンス事業の強化を進めつつ、新たな成長領域をどのように広げていくかが重要だと考えています。
その検討にあたっては、大きく「キャラクター」と「接点」という二つの観点で整理しています。キャラクターの観点では、これまで培ってきたサンリオキャラクターの価値を大切にしながら、未開拓のセグメントへの展開や新たなIPの創出にも取り組んでいきます。自社での取り組みに限らず、外部のクリエイターやパートナーとの協業も含め、選択肢を広げていく考えです。
また接点の観点では、ゲームや映像、LBEなど、IPに触れていただく機会を増やしていくことを重視しています。すべてを自社で抱え込むのではなく、ライセンスを活用した形で広げていくことで、グローバルでの展開を進めていきたいと考えています。地域としては北米と中国を重点エリアとし、着実に存在感を高めていくことを目指しています。
サンリオに入社を希望する方たちへ伝えたいことは何ですか?
社長室の仕事は、長期的な方向性を踏まえつつ、個別の課題を整理し、各部と連携しながら前に進めていくことです。複数の案件に関わり、戦略の検討から現場に近いテーマまで幅広く携わる点が特徴だと思います。
自分たちの判断が、事業の動きや社内外の反応として返ってくるため、責任は大きいですが、その分やりがいも感じられる環境です。
サンリオの企業理念である「みんななかよく」に共感し、周囲と協力しながら粘り強く物事を進めていける方と、一緒に取り組んでいきたいと考えています。