増原 知洋(ますはら ともひろ)
2024年にサンリオへキャリア入社。経営管理本部 財務企画室所属。証券会社に約10年半在籍し、債券リサーチで分析業務、投資銀行で資金調達・M&A業務を経験。現在はサンリオでM&A、投資委員会運営、財務・資本政策、調査、IR支援などを担う。


前職のキャリアを活かして、サンリオ時価総額5兆円の実現へ
サンリオ入社までのキャリアを教えてください。
社会人として約12年のキャリアのうち、約10年半を証券会社で過ごしました。前半3年間はリサーチ部門にて債券・クレジットレポートの作成などに従事しました。数字と事実を積み重ね、それらが意思決定につながるように伝えるプロセスを繰り返す中で、分析力や論点を整理して言語化する力が養われました。
後半の7年間は、資金調達やM&Aアドバイザリーを中心とした投資銀行業務に従事しました。複雑性が高く、多くの関係者を調整し、厳格な期限の中で案件を成立させる必要がある厳しい環境でしたが、幸いにして多くの案件を経験でき、スキル面だけでなく仕事への姿勢も培うことができたと感じています。こうした経験の積み重ねが、業界が変わっても通用する仕事の型として、現在の土台になっていると考えています。
金融業界を離れてサンリオを選んだ決め手は何でしたか?
証券会社で勤続10年を迎えた時、自身のキャリアの3分の1が過ぎたと感じました。仕事に手応えを感じつつも、このまま同じ道を進んで良いのかと自問したのがキャリアチェンジの出発点でした。また、もともとエンタメ業界への興味はありましたが、その価値が資本市場では十分に評価されていないように感じることも多く、もし別業界に行くのならばエンタメ業界が面白いとも思っておりました。そんな中で、偶然サンリオの人材募集に巡り合ったという感じです。また幸運にも、サンリオで働く知り合いがおり、急成長の真っただ中であることや、意思決定のスピードが速く、自ら主導権を持てる余地もある環境だということも分かり、この仕事を選びました。
現在の仕事内容、担当領域を教えてください。
所属は経営管理本部の財務企画室です。担当はM&A、投資委員会運営、財務・資本政策、調査、IR支援など幅広いですが、企業価値の創出に直結する仕事と捉えております。
上場企業としての責務は時価総額の持続的な向上であり、弊社は、現状は約1兆円(2026年1月時点)ですが、この先10年で5兆円にする目標があります。財務企画室としては、企業価値向上を中心に据え、資本市場と向き合いながら、一歩引いた立場から会社全体を俯瞰し、どこに適切に資金を投じるべきかを冷静に判断しています。そのための設計や基盤作り、各種分析・伝達・実行などの幅広い業務を担っております 。
「愛されるサンリオ」を引き継いでいきたい

ご自身が主体となって動いたプロジェクトや、特に印象に残っている仕事があれば教えてください。
入社してすぐに経験させていただいた、約1,350億円規模のグローバル・オファリング(株式を日本と海外で同時に投資家へ売り出すこと)は 難易度が高い挑戦でした。英文目論見書の作成やデューデリジェンス、その他ドキュメンテーション対応はもちろん大変でしたが、特に投資家の方々に弊社の企業価値・株式価値を理解していただくため、キャラクターやIPといった一見価値を伝えることが難しいものを、どのように分かっていただくか、何度も議論を重ね、形として示せたことは非常に印象に残っております。その他、M&Aではアニメ会社やXR・VR会社の案件などにも関わらせていただく機会を得られ、非常に多くの刺激を頂いております。
これらの経験の中で、特に感じるのはサンリオが世界中の皆様に愛されてきたことであり、これは例えば、投資家と議論させていただく時、M&Aの実施や検討にあたっての相手側とのコミュニケーションをする時など、様々な場面で感じております。創業者の辻信太郎はもちろんですが、今までサンリオ社員が築き上げてきた、皆様に愛されるサンリオを実感として感じることができ、これらは一朝一夕では築くことができない強みとして、我々も引き継いでいかなければならないと強く感じております。
これまでのキャリアを活かし、現在どのような貢献ができていると感じますか?
資本市場と向き合いつつ過ごした証券会社の経験や、そこで培った知見はもちろんですが、それ以外にも常に視座を一つ、二つ上げ業務を遂行することは意識しています。また、スピード感も意識しており、なるべく滞留が起こらないことも非常に重要だと思っております。私としてもサンリオの可能性を強く感じている中、中にいる組織の一員として、スピード感を持って、高度な意思決定ができるように努めております。
「みんななかよく」が現場にも深く浸透
入社後にカルチャーの違いで「驚いたこと」はありましたか?
驚いたのは、企業理念の「みんななかよく」が飾りではなく、現場のコミュニケーションとしても浸透し、機能していることです。立場や年齢差があっても相手を尊重して話し、合意点を探り、必要以上に角を立てない、結果として人間関係のストレスが起きにくい土壌がしっかりと築かれていると感じます。
また、このスタンスは社外にも及びます。市場の成長を前向きに捉えて、様々なコラボレーションを通じて接点を増やす選択肢を自然に考える、全員がハッピーな着地を探ることの発想が根幹にあり、理念がビジネスに実装され、交渉や連携などを進めやすいと実感しています。
「プロパー×キャリア」、異なる強みはどう混ざり合っていますか?
特に足許業績が急拡大し事業が多角化していることもあり、想像よりもキャリア入社の方がとても多かったです。キャリア入社の方々は、エンタメ業界以外にも様々な業界から入ってこられているため、過去の常識に縛られず、様々な知見を活かすことができる環境かと思います。
同時に長く在籍するプロパー社員の方々の知見は圧倒的に深く、検索しても出てこない業界情報、過去の経験、国内外のコネクションまで蓄積されています。私は証券会社という、かなり縁が遠い業界の人間でしたが、おそらく外部にいることでは決して得られなかった経験もたくさんできております。プロパー社員、キャリア社員の中で学び合いが回ることで、強みの掛け算ができていると思います。
エンタメの価値を世界へ届けるプロセスを楽しめる熱量と冷静な視点を一緒に持ちたい

サンリオで活躍するために、どのようなマインドや資質を期待していますか?
最優先は、企業理念の「みんななかよく」を体現できることです。どれだけ優秀でも、ここに反する振る舞いをする人は成果を出し続けにくいと思います。サンリオの価値は、キャラクターやIPの世界観だけでなく、それらを扱う人の姿勢にも表れると思っています。
その上で重要なのはどんな仕事にも通じますが、主体性と当事者意識だと思います。任された範囲で業務を完結させるのではなく、常に目的に立ち返り、視座を高め、高い責任感をもって行動できることが重要だと思っております。また、財務企画室としては、サンリオの企業価値を高めたい、ひいては日本のエンタメの価値を資本市場においても向上させていきたいという想いがありますので、そのプロセスを楽しめる熱量を持ちながら、同時に、冷静かつ客観的な視点で物事を分析することができる姿勢が重要だと考えています。
海外市場の伸びしろを、組織の成長とともに取りにいく
日本のコンテンツ産業とサンリオの“これから”をどう見ていますか?
近年、日本のアニメやIPが海外で、熱心な層から一般層へ浸透してきた潮目を少しずつ感じます。ただ、流通・提供・価値増幅の観点ではまだ十分にリーチできていない、熱量を産業としての成長に変換し切れていない課題があるとも感じております。
だからこそ、数年から10年が重要局面であり、取り組みを誤れば流れが途切れるリスクもある一方、正しく設計し継続できれば開発余地は大きい、退屈しない産業であると考えており、サンリオはその中心で挑戦できるポジションにいると見ています。
次に強化すべき課題は?財務企画室としてどこに打ち手がありますか?
弊社の利益の多くは北米・中国から生じており、海外成長をどう取り切るかが最重要テーマです。海外成長に向けて人・体制を強固にし、意思決定の前提自体をアップデートする必要があります。
組織や機能が整えば、日本のエンタメ企業が世界で大きく飛躍するポテンシャルは十分にあると思っております。財務企画室としては、企業価値の観点からその飛躍を実現するため、財務面での底支えはもちろんのこと、資本市場と向き合いつつ、成長投資や株主還元のバランスを持った設計や、M&A、各種投資の検討判断等の高度化を図り、ポテンシャル実現への貢献を行いたいと考えております。
サンリオに入社を希望する方たちへ伝えたいことは何ですか?
今のサンリオは変革期で、意思決定のしやすさと裁量権を持てる余地が大きいと感じます。キャリア入社も多く、壁はほとんどありません。プロパー社員とも分け隔てなく議論でき、目的に対してフラットに最適解を探せます。
キャラクター、エンタメやコンテンツが好き、ということは入口として大切ですが、自身の強みやスキルを伸ばしつつ、それらに携われるような環境が整いつつあると感じます。専門性を持って会社の中枢に入り、手触りのある意思決定をしたい方には面白いタイミングですので、是非チャレンジいただければと思います。