Recruit先輩社員インタビュー

Amy

サンリオへ新卒入社。事業戦略本部 IP創造部IP創造課所属。
新キャラクター「ぺたぺたみにりあん」の創造・育成をチームで推進しながら、「ぐでたま」、「アグレッシブ烈子」、「ぼさにまる」の担当デザイナーとして、商品デザイン監修やSNS管理なども担当。

Amy

複数人でひとつのキャラクターを育てる新しい手法に挑戦

IP創造部でのお仕事について、教えてください。

IP創造部は、新しいキャラクターの制作と育成を行う部署です。自分一人で担当している既存キャラクターもいくつかありますが、新キャラクターを作る時には部のメンバー全員で話し合いながらキャラクターの見た目、性格、魅せ方などを考えています。

これまでのサンリオでは、一人の担当デザイナーが中心となって新キャラクターの設定を考えてアイディアを膨らませることが主流だったので、担当デザイナーも含め複数人で一つのキャラクターの設定を考えるのはすごく新鮮です。IP創造部で担当している「ぺたぺたみにりあん」はその手法で育成をしていてすごく楽しいです。

新キャラクター以外にも、いくつかのキャラクターを担当されているのですよね。

「ぐでたま」と「ぼさにまる」、Yeti名義で「アグレッシブ烈子」の担当デザイナーをしています。キャラクターの世界観を作ったり、ポーズを増やしたり、商品デザインのラインアップを増やしたりするのがメインの仕事です。SNSを通したキャラクターの世界観の発信や、実際に商品化されるものの監修など仕事内容は多岐にわたります。

人気キャラクターをいくつも手掛けていますが、サンリオではデザイナーが新キャラクターを作る機会が多くあるのでしょうか?

不定期ですが、あります 。2022年にIP創造部主導で開始した、次にデビューする新キャラクターを決めるプロジェクト「NEXT KAWAII PROJECT」もその一つです。社内のデザイナーからキャラクター候補を公募し、オーディションコンペ形式で実施しました。私自身、コンペがあるとお祭り気分で参加します。サンリオのデザイナーのレベルはすごく高くて質では勝てないと感じているので、代わりに量で勝負するために何案も出すようにしています。 まあ、それでもボトボト落ちるのですが…。

ぐでたまとアグレッシブ烈子もコンペ形式でファンの皆さんからの投票を経てデビューしたのですが、実は1位になったわけではなく、今こうして愛されているのはすごくラッキーだったと思っています。サンリオは長年キャラクタービジネスを展開しているので、その道のプロが勢ぞろいしています。プロが集結してチームとして動く中で、アニメ化などのキャラクターブランド向上施策が次々に決まっていくのは非常に楽しいです。

周りの人からのヒントが「サンリオっぽくない」キャラクターを生む

量で勝負しようと数を打てば、質が落ちてしまう気がします。そんなことはないのでしょうか。

あるかもしれないです。ただ、「なんで選ばれたんだろう」と自分でも不思議に思うキャラクターが選ばれることもあるので、量を出すのも一理あると思っています。

アグレッシブ烈子も、LINEスタンプが流行っていた時期に、「怒りを表現するキャラクタースタンプの需要がありそう」と部署で話していたところから生まれたんです。しかも、アグレッシブ烈子に出てくるゴリ部長と鷲美というキャラクターは、当初アグレッシブ烈子とは別の企画で考えていたものでした。「もしこの2人も烈子と同じ会社で一緒に働いていたら…」と部署で出たアイディアが面白かったので、アグレッシブ烈子の世界に合流して烈子の同僚という設定になりました。

キャラクターを作る時、どのような発想で生み出しているのですか?「サンリオっぽくない」のもAmyさんが手掛けるキャラクターの魅力ですよね。

新キャラクターを考える時には周りの人からヒントをもらうことがほとんどです。常に新キャラクターのことを考えているわけではないのですが、ふと思い出した時に「あの人のこれ、使えるな」と。アグレッシブ烈子はまさにその例で、私の友達が仕事の愚痴を言う時にいつも「ぐぅぅぃぃぃ」とうなっていたことがキャラクターに反映されています。

「世の中の隅を見ている」とよく言われるのですが、自覚はあまりなくて。自分ではサンリオっぽいと思って作ったものが、サンリオっぽくないと言われることが多いです(笑)

ぐでたまと、ぼさにまるが生まれた経緯も気になります。

ぐでたまは、家でたまごかけご飯を食べた時に「ああ、なんてたまごかけご飯はかわいいんだろう。でも全然やる気ないし、こっちに目を合わせない」と思ったことで誕生しました。当時、よくニュースでゆとり・さとり世代が「学歴もあって優秀なのに頑張らない」と報道されていたのですが、たまごも一緒だなと。美味しいし、栄養価も高いのに頑張らない。ぐでたまもそんなキャラクターです。

ぼさにまるは当初アプリゲーム用に開発していたので、ぼさぼさをカットして綺麗にするというゲーム性を持ったコンセプトで企画していました。紆余曲折あってゲームとは関係ない形でデビューすることになりましたが、部署の人と話しているうちに、ぼさぼさな時があってもいいしありのままの自分でもいいよね、という今の世界観に落ち着きました。

一番のやりがいは、想像をはるかに超えた大作ができること

サンリオに新卒入社を決めた理由は何でしたか?

キャラクターに携わりながら絵を描く仕事がしたいと思っていたので、サンリオへの入社を決めました。ただ、新キャラクターを作る仕事が本当にできるとは思っておらず、今の環境や仕事内容はすごく嬉しいです。生まれたキャラクターをリアルな場所で展開できる、サンリオピューロランドやハーモニーランドなどテーマパークの存在もすごく魅力的でした。

入社してから、最もやりがいを感じた仕事を教えてください。

アニメーションの制作においては、脚本会議からアニメーションの監修まで担当デザイナーの仕事です。ぐでたまとアグレッシブ烈子はNetflixなどで展開されていますし、ぼさにまるもTVアニメが2023年4月から放映されます。

Netflix『ぐでたま〜母をたずねてどんくらい〜』では脚本の段階だけでなく撮影、アフレコ現場にまで立ち会わせていただきました。様々な分野のプロフェッショナルが集まって作られることで、自分の想像をはるかに超えた大作ができることにやりがいを感じます。ぐでたまもアグレッシブ烈子も最初はショートアニメから始まったので、長編アニメを見た時には感動もひとしおでした。

今後身に付けたいスキルや、考えているチャレンジについてお聞きしたいです。

仕事をする中で、いろいろスキルが足りていないと日々感じています。もう少し絵が上手くなりたいし、もう少し幅広い表現ができるようになりたい。絵に関しては練習あるのみだと思うので、今後も引き続き練習をしていきたいと思っています。

また、新キャラクター制作の意欲が変わらずにあるのは大前提として、これまでにサンリオでやったことのない表現に挑戦したいです。個人的にアートがすごく好きで、空間演出なども手掛けられたら面白いと感じますし、エキサイティングなことをしている人とのコラボレーション企画もできたらと思っています。

これから就職活動をする、クリエイター志望の就活生にアドバイスをお願いします。

業界を絞りすぎることは自分の可能性を狭めることにもなってしまうので、視野を広く持って就活をすると良いと思います。また、自分の引き出しがたくさんあるに越したことはありません。いろいろな経験を学生のうちに積むことをお勧めします。

今は難しいかもしれないですが、私は学割を使って海外旅行にたくさん行ったことが今の自分のアイディアなどに繋がっていると思います。海外に行くと、日本ではあまり見かけないデザインを目にしたり、アートに対する異なる空気を感じたりすることができます。身をもって体感することによる学びもたくさんあると思うので、遊びも全力でやると良いと思います。