Nakayoku Stories
24.06.25
JICAとの取り組み
海外の活動
手洗い衛生啓発活動を通じて、国や文化を越えるキャラクターの魅力を改めて実感しました
グローバルサステナビリティ推進室
酒井健太郎/Kentaro Sakai
Profile
2016年入社。海外事業部で北米・南米を担当し、現地従業員と連携しながらライセンス事業を展開。2021年にその後社長室へ異動し、SDGs施策の推進を担当したのち、現在の部署であるグローバルサステナビリティ推進室へ異動。現在はシニアマネージャーとして、Sanrio Nakayoku Projectの運営管理やサステナビリティ施策の推進を担っている。
※本ページにおける所属・役職などは、すべて取材当時のものです。
サンリオは2021年から独立行政法人 国際協力機構(JICA)インド事務所と協働で、インドの子どもたち向けに手洗い衛生啓発活動を行っています。このプロジェクトの担当者として、ハローキティとともに現地の小学校などに訪問した酒井さんに、本活動に対する想いを伺いました。
JICA様の熱意に共感し、インドでの手洗い衛生啓発活動を実施
インドでは一般的に手を使って食事をしますが、石鹸を使った手洗いの習慣はまだまだ浸透していません。そのため、感染症により命を落とす方が多く、衛生環境の改善が急務とされています。そこで、JICAインド事務所(以下、JICA)は、衛生啓発活動「アッチー・アーダット(ヒンディー語で良い習慣)」キャンペーンの一環として、手洗いの重要性を伝える活動を様々な企業とともに実施しています。JICAの方からインドの状況を伺い、その熱い想いに共感して、サンリオも参加企業の1社として協働で取り組んでいます。
取り組みの一つとして、ハローキティがヒンディー語で歌いながら正しい手洗いの方法を教える動画を作成しました。歌に合わせ手拍子や足踏みなどといったダンスも取り入れ、子どもたちが楽しみながら覚えられるよう工夫しています。この動画はインドだけではなく、JICAのスリランカやバングラディシュの活動でも活用していただいています。再生回数は835万回を超えており※、手洗い習慣の普及に大きく貢献できたのではないかと思います。
また、ハローキティが現地に赴き、子どもたちに直接、手の洗い方を教える活動も実施しています。活動を開始した当初は新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことにより、現地への訪問は難しい状況でした。そのため、東京のサンリオ本社と現地をオンラインで繋ぎ、画面越しにハローキティが子どもたちに手洗いの大切さを教えました。
※2023年10月現在。英語版動画・ヒンディー語版動画の合計
子どもたちの笑顔を直接見て、ハローキティの魅力を再認識
私の初めての現地訪問は2024年でした。事前に学校の設備の状況などを直接確かめられないため、現地に詳しいJICA様に細かな準備やスケジュール作成においてサポートいただきました。また、日本国内よりもサンリオの知名度は低いので、学校の先生方のなかにはサンリオをご存じない方もいらっしゃったと思います。そんな時、JICA様は先生方へサンリオが国連と協働でSDGs推進活動をしていることや、サンリオへの期待などを伝えてくださいました。ともに活動するなかで、ハローキティへの愛情やリスペクトを持ってくださっていることを節々に感じ取れました。
当日は地方の小学校へ訪問し、はじめにJICAの方から子どもたちへ手洗いの重要性を伝えていただきました。その後ハローキティが登場し、正しい手洗い方法を歌とダンスで教えました。最後に、自分だけではなくご家族やご兄弟にも手洗いの大切さとやり方をしっかり伝えることを子どもたちと約束しました。このように、より多くの人に手洗いの重要性が伝わることを期待しています。
インドではハローキティを知らない子どもたちもいます。けれど、ハローキティが登場した時、どの子もとびきりの笑顔を浮かべてくれました。その光景を見て私は、国境を越えて、馴染みのあるなしに関わらず、ハローキティは子どもたちの心を動かすことができると実感しました。インドにおける活動は、日本の状況と大きく異なる地域だからこその難しさはありましたが、この活動をきっかけに日本に興味を持ってくれた子どもたちもいると聞き、実施して良かったと思います。
Sanrio Nakayoku Projectとサンリオの事業を、より世界へ広げていきたい
インドでの手洗い衛生啓発活動は、2024年1月訪問の際は現地の小学校3カ所、病院、日本人学校で実施しました。今後もJICAの方々とともに、より多くの子どもたちに手洗い習慣と笑顔を届けていきます。
活動を通して、私はサンリオキャラクターが持つ魅力を再認識しました。国や文化に関係なく、人の心を動かし、その声に耳を傾けていただくことができる力がキャラクターたちにはあります。これは、これまでサンリオが常に人に寄り添う事業活動を続けてきたからだと思います。私自身も少年時代をアメリカで過ごし、慣れない環境で寂しさを感じていたある時、街中で日本のキャラクターを見かけて元気をもらいました。これからも、あらゆる人がサンリオキャラクターを見て元気づけられるように、事業活動とSanrio Nakayoku Projectの両輪でよりグローバルに広げていきたいです。また今回のインドでの活動のように、Sanrio Nakayoku Projectが初めてサンリオやハローキティと出会うきっかけとなる方もいるため、より世界に誇れる活動へ発展させていきます。
Comments
ハローキティと出会った時間は子どもたちにとって永遠の宝物です。
インド国内の学校・病院・NGO運営施設等を広く訪問頂きました。ハローキティがサプライズで登場した瞬間に子どもたちの表情が輝き、その場の雰囲気が一瞬にして晴れやかになりました。子どもたちだけでなく、大人も童心に帰ったかのようにハローキティと触れ合っているシーンも非常に印象的で、ハローキティの魅力とパワーを実感しました。直前まで変更が伴うインド国内でのイベント調整に対して、丁寧且つきめ細やかに対応くださった株式会社サンリオの関係者のみなさまにあらためまして御礼申し上げます。今後もより多くの子どもたちに対して希望と喜びを提供される株式会社サンリオとSanrio Nakayoku Projectを応援しています。
国際協力機構
インド事務所 所員
大口莉織様