サンリオ・マテリアリティの考え方

マテリアリティ特定プロセス

マテリアリティの特定にあたっては、社内で組織横断的なワーキンググループを組成し、また外部の専門家の意見も参考にしながら検討しました。

1社会課題の抽出

将来動向の視点を取り入れ、ビジョン実現に向けてサステナビリティの側面から重要課題を抽出。

国内外の潮流・社会要請

  • 政治・社会・経済のメガトレンド
  • エンタメ市場のマクロトレンド(Web3.0などテクノロジー等)
  • サステナビリティ先進企業の取り組み
  • 国際機関や調査機関、政府の各種指針、ガイドライン
    例:SDGs、MSCI、Top 20 Current Global Issues

2社会課題の整理・選定

抽出した社会課題をビジョン、事業領域、組織・人材という3つの観点で整理。

3つの観点

  • ビジョン・ミッション・バリューを達成する上で取り組むべき社会課題
  • これから成長する事業や既存事業の実行において達成できる社会課題
  • 組織・人材など価値創造基盤を強化するために取り組むべき社会課題

「創出価値」の観点で取り組む重点テーマと、「ESG」の観点で取り組む重点テーマの2つに大別し、マテリアリティとして特定。

  • 「創出価値」の観点で取り組む重点テーマ:価値創造モデルで創出される価値や価値創造の基盤を強化する重要課題
  • 「ESG」の観点で取り組む重点テーマ:投資家・社会から要請があり、改善が必要な重要課題

3ステークホルダーの意見反映

社内の関係者や社外有識者との意見交換を行い、特定したマテリアリティの妥当性を検証。

社外有識者コメント

  • 「創出価値」の観点で取り組む重点テーマについては、キャラクターによる価値創造を通じ、国境・世代を超えた人々のWell-beingが充足されることを期待する。“クリエイティブの民主化”と掲げているように、クリエイターの創作活動の活性化は社会全体の文化水準の向上にもつながるので、非常に有効な取組みである。
  • 「ESG」の観点で取り組む重点テーマについては、ハローキティおよびサンリオがサステナビリティの象徴的存在であることを体現すべく、サプライチェーンにおける環境・人権問題がいっそうクリーンになっていくことを期待する。

立教大学特任教授 河口眞理子氏

4経営意思決定

経営会議・取締役会で決定案を審議し、正式に決定。

「創出価値」の観点で取り組む重点テーマ​

Well-Beingの充足
テーマ​
すべての人と社会へ寄り添う​
取り組み理由​
サンリオは創業以来、思いやりを持って助け合う心を大切にしてきました。これからも人々に寄り添う事業を展開し、すべての人と社会を応援します​
アプローチ​

子どもや若者が「ありのままの自分」を受け入れる気持ち(自己肯定感)を後押しします​
病気・障がいや、虐待・介護などの困難な状況にいる子どもたちの不安に寄り添います

2027年
3月期までのKPI
  • サンリオ時間「寄り添い時間」通期目標900億時間達成
  • 自己肯定感を高めるIPの創出/育成/認知拡大
  • サンリオの社会貢献活動Sanrio Nakayoku Projectを発展させ、累計2万人へ笑顔を届ける
クリエイティブの民主化
テーマ​
クリエイティブの楽しさをみんなに​
取り組み理由​
サンリオの強みであるクリエイティブ力を生かし、その楽しさを多くの人へ知ってもらいたい。その思いを胸に、これからも私たちはクリエイティビティ(創造性)を身近なものにしていきます
アプローチ​

ファンと企業が共創する仕組みやプラットフォームを整備し、自己表現を身近なものにします
子どものクリエイティビティを育む機会を提供します

2027年
3月期までのKPI
  • 自社プラットフォームを通じた、企業・クリエイター連携のUGX※1の創出。登録クリエイター数 5万人
  • サンリオのノウハウを取り入れたクリエイティブ育成セミナーの設計/開催

※1 UGX(User Generated x):ユーザー生成コンテンツ、ユーザー生成IPなどの総称

子どもの教育水準の向上
テーマ​
楽しみながら学べる機会を​
取り組み理由​
サンリオはエデュテイメント(エンターテイメント×教育)を通して、子どもたちに教育の楽しさを伝えています。これからも、サンリオならではの子どもを惹きつけるノウハウを活かして、子どもたちの教育に向き合っていきます
アプローチ​

子どもたちが「楽しく学ぶ」ことを可能にする機会を提供します​
経済的事情などにより、教育/体験の機会が少ない子どもたちを支援します

2027年
3月期までのKPI
  • エデュテイメント関連事業のGMV※2100億円
  • Sanrio English Masterの累積接点数30万世帯
  • 児童養護施設などへのエデュテイメント教材寄付を3年間で6ヶ所以上へ実施
  • 児童養護施設などにおける英語体験を年1ヶ所以上 継続的に実施

※2 GMV(Gross Merchandise Value):流通取引総額

国境・世代を超えた社会のつながり強化
テーマ​
世界中の人と人とをつなぐ​
取り組み理由​
130の国と地域に事業を展開しているグローバルエンターテイメントカンパニーとして、世界の人々のつながりを大切にしています。サンリオのアセットを活かし、これからはデジタルでも人と人をつなげていきます
アプローチ​

孤独や孤立を抱える人々が国境・世代を超えて、社会的つながりを育む機会と、プラットフォームを提供します​
社会課題解決を目的としてソーシャルセクター(NPO・NGOや国際機関など)の基盤強化と連携を図ります

2027年
3月期までのKPI
  • SANRIO Virtual Festivalなど、人と人のつながりを創るデジタル接点を創出。目標ユーザー数 500万人
  • 国連やNGO/NPOとの協働による社会貢献活動を年2回以上継続的に実施
社内外のヒトへの投資
テーマ​
ヒトへの投資で笑顔をつなげる​
取り組み理由​
サンリオは、全従業員が笑顔でいるからこそ、世界中の人々を笑顔にできると考えています
また、未来を担う人材への応援を通じて、世界中に笑顔を広げることをめざしています
アプローチ​

サンリオグループの全従業員が楽しく健康的に働ける環境を整え、エンゲージメント向上につなげます​
アスリートやクリエイターの育成支援をはじめ、次世代のエンターテイメントを担う新たな才能を応援します​

2027年
3月期までのKPI
  • グローバル×クリエイティブ人材の創出に向けた 戦略的ジョブローテーション、出向プログラム、社内ピッチコンテストなど各種施策の導入
  • アスリートなどへのスポンサー支援を通じた、「国際的である」「将来性がある」などのブランドイメージの向上
  • デジタル領域のクリエイター支援の実施(XR※3クリエイター、Vtuberなど)

※3 XR(Cross RealityまたはExtended Reality):VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの現実・仮想世界の融合技術の総称

ダイバーシティの実現​
テーマ​
企業と社会全体のダイバーシティ実現​
取り組み理由​
グローバルで活躍する企業として、性別や国籍、障がい等に関わりなく、多様な人々が輝ける社会を目指します
アプローチ​

多様な人材が真価を発揮できる企業を目指し、活躍しやすい環境を整えます
「障がいがあっても楽しめるエンターテイメント」の提供と、コンテンツを通じて障がいやマイノリティへの理解を深められる機会を増やし、社会全体のダイバーシティ実現に貢献します

2027年
3月期までのKPI
  • 現地主要拠点(北米、欧州、中国大陸、東南アジア)との人材交流の強化
  • テーマパークにおける
    国籍を問わず楽しめる、ノンバーバルショーの立ち上げ
    障がいの有無を問わず楽しめるコンテンツを通じた顧客満足度の向上

「ESG」の観点で取り組む重点テーマ

地球環境への配慮
取り組み理由​
サンリオの商品・サービスを持続的に提供していくためにも、地球環境に配慮した事業を行うことが私たちの責任だと考えています​
アプローチ​

GHG排出量の削減など、事業活動における環境配慮の取り組みを徹底します

2027年
3月期までのKPI
  • Scope1, 2:
    GHG排出量を6割削減(2019年3月期比)
  • Scope3:
    売上当たりGHG排出量を10%以上削減(2019年3月期比)
人権の尊重
取り組み理由​
企業理念「みんななかよく」を達成するために、サンリオは子どもたちへの模範となる責任があると考えています。人権を尊重し、世の中の規範となるビジネスをめざします​
アプローチ​

人権尊重ルールを明文化しサプライチェーン全体での遵守を徹底します

2027年
3月期までのKPI
  • サンリオ商品を扱うお取引先様に対する、人権に 配慮した行動規範の遵守要請。書面による締結 率原則100%
顧客のプライバシー&データセキュリティ
取り組み理由​
サンリオはSanrio+をはじめとした様々なデジタル分野へ進出しています。これからもお客様に信頼される企業をめざし、安全、安心なサービスをお届けすることが私たちの責任だと考えています​
アプローチ​

お客様への安心・安全なデジタルサービスの提供と、情報セキュリティを徹底します

2027年
3月期までのKPI
  • 各国の新法に合わせた情報セキュリティ体制の準備完了
ガバナンスの透明性・可視化
取り組み理由​
サンリオは、サンリオ・コンプライアンス憲章の遵守をはじめとした、経営の透明性を高めるガバナンス強化を行う責任があると考えています​
アプローチ​

信頼される企業として、透明性のある健全な企業運営を行います

2027年
3月期までのKPI
  • BSC/KGI/KPIの設定と管理による健全な企業運営
  • グローバル/グループ会社規模で透明性の高いガバナンス体制が整備されている状態