基本的な考え方
当社グループは、サンリオ・コンプライアンス憲章 2.行動原則の4.法律を守るに基づき、法令遵守および安全を最優先に、商品・サービスを開発・提供しています。
商品については、「サンリオ品質基準」を定め、カテゴリーごとに設けた品質基準に基づいて安心・安全な商品を開発することを第一に取り組んでいます。
品質・安全管理体制
サンリオ本社で開発する商品については、商品部内に設置した品質管理課が、「サンリオ品質基準」に基づき管理しています。企画開発段階において、各製品の仕様書をもとに個別に基準を設定しています。その基準をもとに試作品を確認し、量産時にも量産品を確認しています。加えて、販売前には倉庫での抜取検査を実施しています。また、過去に発生した品質問題やサンプル不合格事例は、製品情報を管理するデータベースに登録、確認することで、再発防止に取り組んでいます。
万一、商品に関する事故が発生した際は、社内の事故発生ガイドラインに基づき、商品安全対策委員会にて対応を検討。その後、コンプライアンス委員会、取締役へと報告します。テーマパーク施設の安全管理については、各事務所にて安全衛生会議と安全会議をそれぞれ月1回実施しています。
商品での取り組み
品質検査
当社の品質管理基準「サンリオ品質基準」は下記の法令等に準拠して策定しています。
日本:食品衛生法、家庭用品品質表示法、消費生活用製品安全法、景品表示法、薬機法、電気用品安全法、電波法、ST、SG、JIS規格
米国:CPSIA、FHSA、FDA、FCC、ASTM(F963等)、各州法(California Prop65等)
欧州:REACH、RoHS、R&TTE、EN(71等)
当社は、商品の製造をグループ会社や協力メーカーに委託していることから、これらの委託先の協力が品質管理には不可欠です。2025年3月期からは、グループ会社や製造を委託している協力メーカーを積極的に訪問し、実際の製造現場を視察する機会を増やしています。このような取り組みを通じて製造現場への理解を深め、協働しながら品質改善活動を進めていきます。
製造過程に針を使用する商品の管理
商品への針の混入は重大な事故を引き起こす可能性があることから、製造委託先の協力のもと、「縫製品工場調査書」を使用し厳重に管理しています。調査書では、検針に関わる作業フロー、針管理および記録状況、検針作業内容、半製品、完成品の保管状況等を報告いただき、また、実際に使用している針の現物も提出いただいています。
不良ポイント制度による品質改善
不具合発生の未然防止、品質改善を目的に、製造委託先に対して不良ポイント制度を導入しています。不良発生件数をポイント化し、それを参考にお取引先と半期ごとに面談を実施する、検査基準を厳格化するなどの措置を取り、品質改善に努めています。
海外向け製品の品質管理
海外に輸出する製品については、各国の法令で定められた、日本とは異なる品質基準に沿う必要があります。例えば、12歳以下の子ども向けの製品について、米国では、CPSIA(消費者製品安全改善法)によって鉛やフタル酸の含有量規制が強化されています。このほかにも玩具においては、欧州ではREACH規制やEN71、アジアではISO8124などの規格に適合することが求められ、中国(GB6675、CCC)や韓国(KC)のように強制認証を求めている国もあります。
そのため当社では、海外へ輸出する製品の品質基準を日本基準とは別に設け、外部検査機関で試験を実施して製品の安全性を担保しています。
品質・安全に関する教育
品質管理課やサンリオ上海の社員を対象に、品質・安全に関する研修を実施しています。内容は主に不具合事例、海外検査不合格事例の共有です。2023年は11回実施しました。
施設・サービスでの取り組み
サンリオピューロランド(東京都多摩市)、ハーモニーランド(大分県日出町)では、来場者の皆さまが安心・安全にサンリオの世界を楽しんでいただけるよう、ハードとソフトの両面で品質・安全管理に取り組んでいます。
施設の安全管理
●ライドアトラクションは法律上の規定に則り定期点検を実施しています。
●水上遊具の設置や運営に際しては、経済産業省の水上設置遊具の安全に関するガイドラインを遵守しています。
●新施設の工事や改修工事がある場合、工場検収、現場検収、設置後点検を実施します。
●全体的な防災避難訓練を年に1回、小規模な避難訓練を毎月実施しています。
ゲストサービスに関わる安全管理
●マニュアルに基づき、ウォーミングアップ朝礼、新人研修、スキルアップ研修、各種現場OJT研修などを実施しています。
●顧客満足度調査やコミュニケーションカードなどを活用して、サービスの品質をモニタリングし、サービス向上に努めています。