トップメッセージ

トップメッセージ

世界中のすべての人と社会に寄り添い、
笑顔がいつまでも続く社会をめざします

株式会社サンリオ
代表取締役社長

辻 朋邦

サンリオは1960年の創業以来、「みんななかよく」を企業理念として、世界中に笑顔を広げる事業活動を展開してきました。「みんななかよく」は、国や時代を超えて、すべての人が希求する価値観の一つと言えますが、そうした普遍的な願いを企業理念として掲げている企業はあまり例がなく、そこが当社の独自性につながっていると認識しています。

この企業理念について、当社の社員たちは長年にわたって共感を深め、大切にし続けてきました。一方で、日々の業務において「みんななかよく」を完全に体現できているかといえば、そう感じている社員は少ないのが実情でした。そこで私は、2020年の社長就任を機に、この企業理念をより具体的に実践していくための道しるべとなるビジョン・ミッション・バリュー(VMV)の検討を社員とともに行い、2021年に策定しました。

新たなビジョンである「One World, Connecting Smiles.」には、当社の本業にあたる「なかよく」をより多くの「みんな」に広げていきたいという想いを込め、笑顔で働く当社の社員たちが国境・言語・年齢・性別を超えたすべての人々の「多様な笑顔」を作り出し、幸せの輪を世界中に広げていくことをめざしています。

私たちは、このビジョンのもと、さまざまなパートナーとも連携しながら、世界中のあらゆる人々の笑顔の質を高め、笑顔と笑顔をつなぐ役割を担いたいと考えています。そして、こうした役割を果たしていくために、あらゆる時間を笑顔に変え、世界中のすべての人と社会に寄り添い、人々の笑顔がいつまでも続く社会の発展や地球環境の保護を実現する「グローバルエンターテイメントカンパニー」への進化をめざしていきます。

ビジョンの達成に向けてはサステナビリティを意識した経営が必須になります。そこでサンリオでは、2023年に今後10年かけて解決に取り組んでいく重要課題として、10項目の「サンリオ・マテリアリティ」を特定しました。私たちは、このマテリアリティに取り組むことを次世代に続く笑顔を共創するために果たすべき使命として認識し、サンリオならではの取り組みや社会との向き合い方を通して、重要課題の解決に貢献していきたいと考えています。

そして、そのなかでサンリオならではの取り組みとして、キャラクターIPやエンターテイメント、「Sanrio Nakayoku Project」などの社会貢献活動を通じたコミュニケーションで一人ひとりに寄り添い、少しでも笑顔になったり、ポジティブな気持ちになってもらえるよう後押ししていきます。同時に、私たちがこれまでに高めてきたクリエイティブ力や業界でのポジションを活かして、社内外のクリエイターへの支援や子どもたちの創造性を育む活動など、クリエイティブ業界全体の拡大・成長につながる取り組みを推進していきます。

加えて、マテリアリティへの取り組みにおいては、「教育」の重要性に着目しています。教育は人間の成長に不可欠で、人と人のコミュニケーションの基礎を形成するものです。この教育においてサンリオならではの事業を行い、学びのなかで笑顔を創出できれば、豊かな人生や幸せへの貢献につながると考えています。

サンリオは、これまでも多くの人々を笑顔にしてきましたが、時代が変化するなかで求められる役割がさらに広がってきていると認識しています。このような状況において、サンリオのキャラクターが持つ「寄り添う力」は大きな強みであり、サンリオが重要課題の解決に取り組むことで、より幅広い層に親しみを感じてもらいながら、サステナビリティ活動の意義や重要性を伝えることができると信じています。

私たちは、これからも「One World, Connecting Smiles.」のもと、あらゆる人の自己表現や学びを後押しし、誰もが輝ける社会の実現に寄与しながら、環境・人権に配慮した責任ある事業活動に努めていきます。

2024年6月
株式会社サンリオ
代表取締役社長

辻 朋邦