三好 加奈子
株式会社サンリオ常務執行役員。
新卒で三菱商事に入社し、石油化学品のトレーディング、事業投資に従事。ビジネススクール留学を経て、コンサルタントとして事業会社、コンサルティング会社で、営業・マーケティング・リーダーシップ開発のコンサルティングに携わる。その後、事業会社の人事職に転じ、外資製薬、スタートアップ等を経て、2024年2月サンリオに入社、現在は人事本部・内部管理本部を管掌。人事制度、教育・研修、採用、労務管理、健康経営、DE&I、コンプライアンス、リスクマネジメント、内部監査などを担当。


世界中に笑顔を広げていくために、サンリオで働く私たちが誰よりも笑顔でいられるようにしたい
現在の仕事内容、管掌領域を教えてください。
2024年2月にサンリオに入社し、人事本部・内部管理本部の責任者として人事・内部管理領域の戦略・方針の策定、 具体的な制度や施策の企画、運営を担っています。人事領域では、人事評価制度の設計・運用や、異動配置や社内公募などのタレントマネジメント、 そして新卒・キャリア採用、人材組織開発、労務管理、健康経営などが管掌領域です。内部管理領域に関しては、コンプライアンス意識醸成、リスク管理、内部統制の強化などが含まれています。
サンリオへ入社した理由は何ですか?
サンリオの掲げている「みんななかよく」という企業理念に惹かれたこと、またOne World, Connecting Smiles. ひとりでも多くの人を笑顔にして、世界中に幸せの輪を広げていくことを目指すというビジョンに共感したことが最も大きな理由です。サンリオの店舗やサンリオピューロランドを訪ねたとき、さまざまな年代や性別、国籍、人種のお客様が、それぞれに楽しんで笑顔になっている場面や、その笑顔をキャラクターや働く社員を通じて生み出している場面を目の当たりにしました。そして、そこから生まれる大きなエネルギーや可能性を感じ、自分も一緒にビジョンの実現を目指したいと思いました。
サンリオでは、これまでの長い歴史の中で、人と人とのつながりやコミュニケーションを通じて多くの笑顔を生み出し、更にその先へと笑顔の連鎖をつなげてきました。デジタル技術が進化したことで、サンリオに触れていただける接点や機会がより広範囲に増えたことで、笑顔を生み出す接点や可能性が増えてきましたが、その笑顔の源泉となるサンリオで働く私たちが、誰よりも笑顔でいられる「場」を創り出すことが、私がサンリオで実現したいことです。
サンリオという会社、組織をどんな風なチームにしていきたいですか?
繰り返しになりますが、人事の役割を担う上でビジョンを実現するために不可欠なことは、サンリオで働く私たちが笑顔でいることだと考えています。その笑顔を支えるためにも、私たち一人ひとりが、自分らしさを保ち、互いに受け入れ、尊重し合うこと。自分の特性を活かして、サンリオで働くことを通じて成長を続けられることが笑顔を支える大事な要素と考えています。また、何十年も働いていると誰しもさまざまなライフイベントが起こります。自分自身が病気になることもあれば、家族の育児や介護に直面することもあるでしょう。そうしたことが起こったときにも、制約を感じることなく、キャリアを続けることができること。そうした人的基盤を整えていきたいです。そうすれば、一人ひとりが可能性を最大限に発揮して、自ら主体的に自分自身が実現したいビジョンに会社として実現したいビジョンを重ね合わせながら、成長してキャリアを築いていくことができると考えています。
管掌している領域を通じて、社会・また世界にどんなインパクトをもたらしたいですか?
サンリオで働く社員一人ひとりが、サンリオで働くことを通じて、お互いにそれぞれのビジョン・会社のビジョンの実現をサポートし合いながら、みんななかよくの「みんな」の概念を広げていくことですね。みんななかよくの「みんな」は、まずは自分と自分の周りの家族や友人、同僚、そしてお客様、さらにその先につながる人・・・。そのつながりによって、世界中の人に笑顔を届けることが可能になると信じています。世界中に笑顔と「みんななかよく」という価値観が広がっていけば、世界は今よりもっと平和になり、未来への希望が生まれる場になると思います。
平成の時代の日本は「失われた30年」だといわれています。同じ時代に世の中の変化に対応し、成長してきた国と比べて、日本の子どもたちは未来に対する希望というものが持てなくなってしまったのではないか。私自身も平成の半ばに社会に出て、そのような状況を打ち破ることができなかったことに責任を感じる部分があり、次の世代を担う人たちが、未来に対して希望を持てるような世界を作ることに貢献したいと思います。
サンリオの企業理念に共感してくれる人が集まっているのが強み

サンリオの強みは何だと思いますか?
サンリオはその企業理念やビジョンへの共感度がすごく高い人たちの集まりで、皆が同じ方向を目指していると感じます。また、採用の場においても、サンリオを、唯一無二の企業だと思ってもらえることも多く、サンリオの企業理念やビジョンは会社として差別化出来る大きな強みだと思っています。特にここ数年、いわゆる「第二の創業」に入ってから、事業の変化や成長のスピードが速く、多くの新規プロジェクトが立ち上がり、新たなことに挑戦できる機会も増えました。つまり、今のサンリオには成長できる機会が山ほどあるということです。これもサンリオの強みだと思っています。
反対に、これから克服するべき課題や、ビジネス上の脅威はどのようなものがあると考えていますか?
サンリオではデジタルやWeb3、映像系などの事業領域を広げていく中で、そういった領域での経験やスキルを持っている人材も募集しているのですが、それらの領域で活躍している人にとってサンリオが働く場所の候補として想起されにくいというのが悩みです。新しい仲間を増やして新たな価値を創造できるように、もっと多くの人にサンリオを働く場所として知ってもらえるように広報していきたいと思います。またビジネス上の脅威については、私たちが競合企業と比べて何をするかということ以上に、私たち自身が常に新しいことに挑戦し続けて、既存のお客様に新たな価値を生み出していったり、新しいお客様に対してサンリオが提供する価値に気づいてもらったりすることが重要なのだと考えています。お客様にとってもまだ見えていない未来に求めたいことに対して、どこまで私たちが応えることができるかを、飽くなき探究心でやり続けられるかにかかっていると思います。
冒険心をもってあらたなことに挑戦してほしい

今のサンリオに、入ってきてほしい学生・人材はどんな人か これからサンリオに入社する若手に何を期待していますか?
サンリオにはキャラクターIPという非常に大きなアセットがあります。サンリオが築いてきたアセットを継承しながらも、さらにそのアセットを強化し、より価値のあるものに育てていく。それがサンリオには求められています。そう考えたときに、これまでにやってきたことと同じことをやるだけでは新しい価値を生み出すことは難しいので、新たなことや、まだ誰も挑戦したことのないことにトライしていくという「冒険心」が必要な素養のひとつだと思っています。そして、ひとつの成功を生み出すためには、失敗を重ねながらもそこから学んで、また新たな挑戦を続けられる「レジリエンス(復元力)」がふたつ目に必要な素養なのではないかと思っています。さらに、エンターテイメントの領域なので、頭を抱えて深刻に悩みながらではなく、大変な状況もむしろ楽しみながら、軽やかにチャレンジできると良いかと思います。エンターテイメントの領域は若い皆さんの感性や価値観が生かされる領域です。それらを活かして、臆することなく新たな提案をしていってほしいです。
これから就職活動をする・している学生に向けたメッセージをお願いします。
これから就職する皆さんには「自分自身のキャリアをデザインするのは、自分自身である」という意識を持ち、主体性を持ってキャリアを切り開いてほしいと伝えたいです。
もうひとつのアドバイスとしては、学生生活の「今」を悔いのないようにしっかりと味わって、体験してほしいということです。今自分がやりたいと思っていることは、将来のためにとっておくのではなく、なるべく今やることをおすすめします。人生は、自分自身で考えて何かに取り組むことの積み重ねであり、経験することが人生をより豊かにすると思います。今はさまざまな情報がスマートフォンから取れますし、AI に任せてやってもらえることもたくさんあります。だからこそ、自らが体験する、自身で考える、自分で何かをやることは、お金には代えられない自分自身の財産になっていくと思います。その感覚を大事にしてもらいたいと思っています。