Recruit役員インタビュー

齋藤 陽史

株式会社サンリオ常務取締役。
SONY、NAMCO USA INC. CEOを経て現職。海外事業本部を担当し、欧米、アジアなどの海外子会社の経営戦略立案や進捗管理など海外事業全般を管掌。

齋藤 陽史

これまで「点」だった経験が、サンリオに入社して「線」となり繋がった

どんな思いを持ってサンリオに入社されたのでしょうか?

これまでSONYやNAMCO USA INC.でキャリアを積みましたが、アメリカ、欧州、中国と特定の地域での仕事が多かったので、全世界にサンリオというブランドを広げる仕事にとても魅力を感じました。

また、サンリオが行うライセンスビジネスにも非常に興味がありました。これまでライセンスを借りる側のライセンシーとしての仕事をしてきたので、ライセンスを貸し出す側のライセンサーとしてより大きなインパクトを社会に与えることができると思ったのです。

振り返ってみると、これまでの私のキャリアはサンリオで働くためのものだったのではないかとすら思います。スティーブ・ジョブズのスピーチで、大学中退後にカリグラフィーの授業に忍び込んでいたことが後にMacintoshの美しいフォントデザインに繋がったという逸話があります。彼のように、これまで「点」でやってきたことがサンリオですべて「線」となり繋がって見えました。

実際にサンリオに入社後、どのような点が魅力だと感じましたか?

各業界トップクラスのブランド、世界のトップタレントやアーティストとのコラボレーションなどさまざまな大きいビジネスができることです。しかも、GMVの大きさに比べるとサンリオの会社規模は小さいため、裁量を持って大きな仕事に挑戦できる環境があります。

実は、サンリオが持つインパクトは見かけの数字よりもさらにすごいんです。サンリオ単体での売上は約500億円ですが、ライセンシーというパートナーの上代ベースでのGMVは5,000億円ほどあると言われています。世界にそれだけの笑顔を届けることはもちろん大変ですが、サンリオで働く大きな醍醐味です。

ただ、これまで先輩たちが作ってくれたブランドの礎があるおかげで、今業界トップとのコラボレーションができているということも忘れないようにしています。その意味では、今のサンリオのリーダーが持つべきミッションは、サンリオブランドをさらに大きくして次の世代に渡すことだと思っています。

海外事業を強化するために行ったことを教えてください。

まず、意思決定プロセスの変革です。サンリオは世界中でビジネスを展開しているので、各国の連携が非常に大事です。ある業界との企画をアメリカで実施するタイミングで、同業界の別ブランドとの企画が中国で進行していたら双方の信頼を失いますよね。これを防ぐために、私が責任者となってすべての案件を統括してマネジメントできる体制にしました。

また、BtoBの案件をリーダーが取引先と直接英語で交渉するようにしました。私自身も、過去に英語を用いたハードな交渉に臨んだ経験を活かして直接トップ同士でやり取りしています。これにより意思決定がしやすくなったうえ、リードタイムも短くなりました。

サンリオのライセンスビジネスは、サンリオとパートナー企業、そしてお客様に笑顔を届けられる三方良しのビジネスです。その中で、より多くの笑顔を実現するために、ただキャラクターを貸し出すだけではなく、共にマーケティングプランなども議論することにもこだわっています。

サンリオのビジネスにおける最大のライバルは、「サンリオ」である

海外におけるサンリオのキャラクターやブランドの伸び代をどのように考えていますか?

伸び代は非常にあります。例えば、アメリカのキャラクター市場におけるライセンスビジネスの規模は5兆円もあります。そのうちサンリオのシェアはたったの1%なんです。

サンリオの認知度を向上させ、アメリカ市場でのシェアを2%、3%にするだけで、売上が2倍、3倍となり、市場へのインパクトも大きくなります。

サンリオにとって、競合となりうるものを教えてください。

本当のライバルはサンリオ自身の戦略だと思っています。実は近年アメリカで苦戦してきた背景には、サンリオとしてブランディング戦略がうまくいかず、キャラクターの価値を高めてくれるパートナーと組むべきだったのに、わざわざ自分で価値を消費し、自滅してしまったことがあります。

そこで、サンリオが持つIPの価値を常に高め続けることと、それを消費してBtoBやBtoCの売上につなげていくことで、それぞれのバランスを取ることが重要になると考えています。この戦略を「価値創造サイクル」と呼んで、現在社内に浸透させようとしています。

「価値創造サイクル」は、サンリオ、パートナー企業、お客様が三方良しの状態になるためのライセンスビジネスの思想と根幹を同じくしているように感じました。

まさにその通りです。

海外は非常にエリアが広いので、物販ビジネスよりもレバレッジの利くライセンスビジネスに集中しています。ライセンスビジネスを推進するためには、まず価値創造の起点を作ることが必要です。その起点をもとに、ライセンシーとなるグローバル大企業を見つけて市場を動かすことができれば、そこで認知度が向上し、さらに新たな案件が入ってくるという好循環が生まれる。そうして発生したキャッシュを、もう一度価値創造の起点を作るために使う。この一連の流れが、「価値創造サイクル」です。

何よりも、価値を作ることに重きを置いているのですね。

今の取り組みは「価値を作ること」と「価値を消費すること」のどちらなのか、常に意識してビジネスを進めています。顧客接点がリアルからオンラインにシフトするなど、社会的な情勢やマーケットが刻々と変化しつつある今、どのパートナー企業と何の取り組みをするか、間違った選択をするとサンリオの価値を棄損することに繋がりかねないためです。

組織の全員が同じ問題意識を共有し、価値創造サイクルを効果的に回せるようになってようやく、サンリオも競合プレイヤーについて話をする土俵に上がれると思います。

当事者意識を持つ人には、道が開ける

未来のサンリオを考えるうえで、どのような人材が必要だと考えていますか?

サンリオはエンターテイメント企業として、世界に笑顔を増やしていくにはどうしたら良いかを常に考えています。

そのため、未来のサンリオを率いるリーダーが活躍する土壌を整え、性別や年齢、人種、国籍、立場に関係なく社員が対等に議論できるようにすることが私たち経営陣の役目だと思っています。また、その視点を持つ人材と共に働きたいです。

サンリオ入社時に語学力が足りなくても、努力すれば海外での仕事に挑戦する機会はありますか?

望めばチャンスはいくらでもあります。海外子会社は、会社の経営を勉強できる学校です。会社の収支を見て資金繰りを考えるなど、経営の根幹に触れる機会が数多くあり非常に力が付きます。

ただ、国内でのビジネスを十分に理解していないうちから海外駐在をしてしまうと、十分に成長できないので本人のためにならないのではないかと思っています。まずは、国内で語学力含めビジネスの基本をしっかりと学ぶところからスタートしてほしいです。

最後に、就職活動をしている学生に向けて、メッセージをお願いします!

物事の捉え方には「他責」と「自責」がありますが、他責思考にはならないでほしいです。当事者意識を持って失敗や課題をしっかりと受け止め、解決するためのチャレンジを何回も繰り返した人は、ぐっと成長していきますし、必ず道も開けます。サンリオで働く仲間には当事者意識を持ち続ける人であることを期待しています。

サンリオはとにかくとっても面白い会社なので、一度サンリオ社員と話してみると魅力が伝わるのではないかと思います。みなさんの応募をお待ちしています!